ニノイ・アキノ国際空港(NAIA:以下マニラ空港)第3ターミナルは、エアアジアをはじめとするLCCの離発着が多く、フィリピンを初めて訪れる多くの若者が利用している。他方、階の行き来の複雑さや、過去の空港ランキング等のあいまいな情報から、「なんとなく使いづらい空港」として言及されることもしばしば。長引く工事やエンタメの少なさに不便さを感じることも少々あるが、コツを知れば屋内設備を活用し、それなりにおいしいごはんも楽しめる。
この投稿では、同ターミナル内部の設備と大まかな構造について、経験をもとに紹介する。
階の構造:到着は1階、出発は3階
第3ターミナルは4階建ての構造で、各階の内容は大まかに次の通り。
- 1階:到着階。両替カウンター、銀行ATM、飲食店もある。
- 2階:特になし(従業員エリアとみられる)
- 3階:出発階
- 4階:飲食店、ショップエリア
国際線で到着して入国審査を終えた人々が出てくる階(Arrival:アライバル)は1階。これから飛行機に乗る人がチェックインカウンターや保安検査場に向かう階(Departure:デパーチャー)は3階である。各階の概要は次の通り。
1階:到着階。Glab乗り場、クローク、飲食店など
かつては入場口が限られており(建物内外を行き来できるドアが1-2個しかなかった(しかも端っこの辺境))不便だったが、現在はどのドアからも入場できる。市街地に繰り出す前の最低限の用意を済ませられる。
飲食店
ハンバーガー、ドーナツ、フィリピン料理など。席数がそれなりにあり、にぎわっていても座れる場合が多い。
Glab乗り場
市街地に出る人は、空港駐車場内にあるGlab乗り場が便利。フロアの端にあり、多くの車が乗客を待っているが、通信が不安定で車の到着まで時間を要することが多々ある。発展途上国のリズムに任せてのんびり待とう。
こちらもかつては建物を出てすぐ、屋外の道路沿いに位置していたが、2024年に移設された。
ATM、両替カウンター

フィリピンの通貨はフィリピンペソ(PHP)で、フィリピンペソの約2.5倍が日本円の値になる。日本国内の両替所はレートが高いので、以下の方法でフィリピン現地についてから日本円をフィリピンペソに両替するとお得。空港内の両替レートは市内よりやや不利な場合もあるが、到着直後すぐに現金を用意できる点で便利だ。
①日本円をフィリピンに持ち込み、フィリピン現地の両替カウンターでペソに両替する。
このターミナルにも3、4個程度カウンターがあるが、もっともお得なレートを選ぶ方法はシンプルだ。各カウンターのモニターに表示された日本円の値を確認し、最も小さな数が表示されているカウンターを選ぶと良い。(手数料は考慮しないものとするが、どのカウンターもそこまで変わらないと思う)
「日本円の値が最も小さい=1ペソを最も少ない日本円で両替できる」ということ
②海外で引き出せる日本の銀行を経由し、日本で預けた金を、フィリピンのATMでフィリピンでペソとして引き出す。
楽天銀行、あおぞら銀行など、日本の一部の銀行のキャッシュカードは海外ATMに対応しているものがある。手数料はかかるが、長期滞在時はお金を安全に管理できるので重宝する。
クローク

乗り継ぎなど、1日以内に第3ターミナルに戻ってくる人向け。同階の端の方(Glab乗り場のある駐車場と同じ方向)に位置する。顔写真の撮影やパスポートの確認など、本人確認もしっかり行われる。
3階:出発階
3階のチェックインカウンターエリアは、出発チケットを持ってる人しか入場できない。入口に立っているセキュリティにチケットを見せてから入場する必要があるため、飛行機に乗る予定がない同伴者は入れない点に注意。(羽田など日本の空港と異なり、飛行機に乗らない人と保安検査場の手前まで行くことができない)
4階:飲食店、ショップエリア
あまり期待しないでほしい。JolibeeやMarry Graceなど、フィリピン大手飲食チェーンやコンビニがあり、小腹を満たすことができる。2025年10月時点では工事中で通行がかなり不便だったが、そろそろ工事が終わっているだろうか。
飲食店と土産屋は、保安検査場通過後エリアの方が充実している。できることなら、お土産は市街地で買っておく方が安く種類も豊富に選べてベストだ。
第3ターミナルの利用で注意すべきポイント
どの空港の利用時にも言えることだが、以下の点に気を付けると良い。
①出発の際の利用時、日中は出発時刻の3時間前に到着するように動く
マニラ首都圏は渋滞が非常にひどい。特に平日の日中は、車が渋滞にはまる前提で計算し、出発時刻の3時間前にはターミナルに到着できるようにしよう。
②スリに注意
ターミナル周辺には警備員が多く、空港内も出発階を中心にそれなりにしっかりとしたセキュリティが敷かれている。しかし、マニラ首都圏をはじめとするフィリピン各地ではスリが日常的に発生している。良くも悪くも、空港内は経済水準がそれなりに高い層の乗客が集まっており、市街地と比べてスリの被害に発生する確率が低いものの、フィリピン国内にいる限りは荷物管理に注意してほしい。
第3ターミナルを有効活用しよう
エンターテイメント性には欠けるが、空港内をよく見るとフィリピン文化が垣間見えるポイントが多々あり興味深い。空港で賄賂を要求されるケースがかつてあったようだが、筆者が知る限りではそのような事例は聞かれず、ある程度過去の話ととらえて良いだろう(経験者がいらっしゃれば体験をぜひお聞きしたい)。また、昨年は空港スタッフの賃上げが行われるとのニュースも耳にしており、ターミナルの利便性と、職員の待遇向上のための努力がうかがえる。
第3ターミナルの設備をうまく活用し、より充実したマニラ渡航になることを願っている。

