どうすればフィリピン名物の重量級交通渋滞をなるべく快適に抜けられるだろうか?どうすればぼられずに済むだろうか?安全な交通手段など存在するだろうか?あるぞ。
この記事では、フィリピンでよく使われる6つの交通手段を解説する。旅行者などの短期滞在でも使えるものをまとめた。
主要交通手段
この記事で紹介する交通手段は以下の6つ。陸路の交通手段に絞っている。超個人的な意見をもとに、それぞれの安全性、安さ、利便性(都市部と地方部)、清潔感の5観点から評価した。
| Grab | Angkas | ジープニー | バス | 電車 | トライ シクル | |
| 安全性 | ◎ | 〇 | △ | 〇 | ◎ | ▲ |
| 安さ | △ | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 |
| 利便性 (都市部) | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
| 利便性 (地方部) | △ | ▲ | ◎ | ◎ | × | 〇 |
| 清潔感 | ◎ | 〇 | △ | 〇 | ◎ | △ |
| 旅行感 | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ |
なお、筆者は流しのタクシーを使ったことがなく、ほとんどGrabで代替可能であると考えている。高額な運賃を請求される可能性含め、安全面や価格、利便性を踏まえると、個人的にそこまでメリットを見出せないので紹介しない。
各交通手段の解説
Grab、Angkas
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Grab(グラブ)は東南アジアでは言わずと知れた配車サービス、Angkas(アンカス)はフィリピンのバイクタクシーサービスのこと。どちらもスマホアプリで手配できるもので、ざっくりGrabは車、Angkasはバイクを呼び出せる(ちなみに、他の東南アジア諸国のGrabはバイクを呼び出せるが、フィリピンにはGrabBikeのサービスがなく、MoveItという同系列の別アプリを使う必要がある)。
ざっくりとした運賃は、バイクタクシーの2倍がGrabの値段。車で7分くらいの距離であれば、バイクタクシーは50ペソ(約130円)、Grabは100ペソ(約260円)程度。フィリピンの交通機関では高額な部類に入るが、ドライバーや乗客に対するアプリのサポートがそれなりにしっかりしており、安全に利用できる。バイクタクシーは渋滞した道路も車の間を縫って進めるので、筆者が最も多用する移動手段である。
安全度、利便性共に高く、旅行者を含むフィリピン新規にもおすすめできる移動手段だ。Grabはフィリピン以外の電話番号でも登録できるので特におすすめ。ただし、Angkasはフィリピンの電話番号(+63)を持っていないと使えない、つまり、フィリピンのSIMカードを手に入れる必要がある(フィリピンのSIMカードは法令で利用開始時にややめんどい登録をしなければならない。後日解説)。
また、地方部ではドライバーを手配できない場合があり、一部都市以外では使えない場合がある。筆者はタガイタイで両方のアプリで日中に配車を試みたが、ドライバーがおらず利用できなかった。マニラ首都圏やセブ、ダバオなど主要都市や、イロイロなど一部都市では問題なく使える。
ジープニー
フィリピンを象徴する交通手段として知られているのがジープニー(ジプニー、ジープ)である。起源は20世紀前半のアメリカ植民地期。米軍のジープを改造した車両を起源とする乗り合いバスのようなもので、地方部、都市部共に広く利用されている。
運賃が非常に安く、乗車1回あたり10-30ペソ(約25-75円)程度で利用できることが多い。カラフルな装飾や無骨でメタリックなデザインまで、にぎやかな車両装飾も楽しい。ただし、ジープニーには決まった停留所がない場合が多く、乗り降りの方法や路線が旅行者には分かりにくい。基本的には出入口が空きっぱなしなので、他の移動手段と比べて比較的強盗が起きやすい(知人の知人が経験したらしい)。
基本的には車体正面の窓か車体の側面に手書きで書かれた行き先を確認し、タクシーを止めるように手を上げて運転手に合図すれば、止まって乗せてくれる。初心者には非推奨だが、フィリピンに行き慣れている人はチャレンジしてもよいだろう。ジープニーの乗り方は後日別記事で紹介する。
バス
近距離移動でも使えるが、特に都市間の長距離移動で重宝する。首都圏から郊外の都市へ向かう際にはバスが広く利用されている。マニラ首都圏中心部からは、タール火山をのぞむ観光地のカビテ州タガイタイ市や、避暑地のバギオ市などにアクセスできる。
鉄道が普及していないフィリピンでは、バス移動で観光地の選択肢を一気に増やすことができる。エアコン付きの車両も多く、比較的快適に移動できるので、市街地を歩き慣れたフィリピン渡航中級者におすすめ。一方で、交通渋滞の影響を受けることも多いため、移動時間が大幅に伸びる可能性がやや高い。バス移動の際は早めの移動を心がけよう。
後日、マニラ首都圏の代表的なバスターミナルを別記事で紹介する。
鉄道(マニラ首都圏のみ)
マニラ首都圏では、軽量高架鉄道1、2号線(LRT1、LRT2)と、都市高速鉄道3号線(MRT3)の3路線が存在。マカティ市やケソン市など主要エリアを結んでいる。首都圏内の主要エリアは鉄道が便利だ。
交通渋滞の影響を受けにくく、昼間でも約10分間隔で発着している上に、運賃20ペソ台(約50円)と安い。ただし平日の通勤時間帯は非常に混雑しており、Ayala(アヤラ)駅では改札に入るための長蛇の列が毎日形成される。朝夕の混雑時間帯は避けよう。また、事故やトラブルで電車が止まっても、場内やSNSでアナウンスがなかなか入らず、駅について初めて運転見合わせに気づくこともある。その時はあきらめてGrab等の手段を検討するしかない。
ちなみに、需要がありそうなニノイ・アキノ国際空港やSM Mall of Asia(通称MOA)に直通する鉄道駅は存在しない。フィリピンの鉄道事情については、後日別記事で紹介する。
トライシクル
フィリピンのあらゆる都市に存在する、自転車と乗客を乗せるカゴが横並びに設置された移動手段。首都圏ではイントラムロスなどの観光地で見られる。
観光客だけでなく、フィリピン人の知人もぼったくりの値段を吹っ掛けられることがあるようだ。フィリピン中級者向きだが、観光気分を味わうには良いかもしれない。ジープニー同様、乗降口が開きっぱなしなので強盗にも気を付けてほしい。
ニノイ・アキノ国際空港から市街地に出るには?
先述の通り、マニラ首都圏の玄関口であるニノイ・アキノ国際空港は、鉄道で直接アクセスすることができない。空港付近に位置する鉄道駅は2つほど思い当たる駅があるのだが、どちらにせよ車移動をはさむ上に、渋滞にはまると面倒だ。
市街地へのアクセスは、空港のGrab乗り場からGrabを手配するか、バスで移動することができる。移動の容易さと荷物量を考慮すると、個人的にはGrabがおすすめ。
初心者はGrab移動がおすすめ
フィリピン以外の国にも広がるビジネス規模と手軽さを踏まえると、Grabは非常に優れた移動手段だ。筆者はフィリピンを含む東南アジア6カ国でGrabの利用経験があるが、いずれの国もトラブルなく利用できている。Grabは日本でもインストールできるので、旅行前にアプリをダウンロードしておくと、移動手段に迷ったときに便利だろう。
すべての交通手段に言えることは、渋滞はどうしても避けられないということだ。電車を利用するにしても、駅までの移動に車移動が必要な場合が少なくない。フィリピン社会の時間のルーズさは、日常化した渋滞が前提にあり、「フィリピン・タイム」と呼ばれる文化として根付いている。過度に規律のそろった日本社会とのギャップを楽しみ、文化の違いを味わうだけでも十分な文化学習になるので、ゆったりと構えてみよう。

